2012年9月24日

漫画の原画って、言うほどありがたいものではない。けど、色いろ考えさせられるものですよ@佐藤秀峰「ブラックジャックによろしく原画展」



中野ブロードウェイで、
佐藤秀峰「ブラックジャックによろしく原画展」が開催中。



会場:pixiv Zingaro
入場:無料
12:00 – 19:00 ※水曜定休日
日程:2012年9月20日(木)〜 10月2日(火)






佐藤秀峰といえば、結構有名な漫画家だ。



『海猿』とか『ブラックジャックによろしく』は、映画化・ドラマ化されているし、
最近では、やや過激でセンセーショナルな新しい(?)漫画家としての活動で話題だが、
私としては、今は無きヤングサンデー時代から読み続けている、

「この人がなんか描いている限りとりあえず俺は読む」系のハズレのない漫画家だ。

短編集『ハードタックル』も持っているし。





実際に観に行ってみたところ…


ご近所で原画展をやっているということなので、これは行かない訳にはいかない。
元々漫画はよく読む方だが、原画というものは目にしたことがなかった。



世間のその筋の方々がよくおっしゃいます、
えーと、その、原画にしかない、迫力。

えぇ、分かります。

確かにパワーがありました。ホントに。

当たり前のことかもしれないが、初めてのことのなのでご容赦いただきたい。



原画には厚みがあった。
線の重なり、トーンのレイヤー、ホワイトの盛り上がり。


また、普段目にする印刷上の黒は、実は単なる黒じゃなかった。
いくつもの線が重なって、再現されている。


なんというか、描かれる順番、みたいなものが目に浮かんで、
描いている姿がそこにあるようだった。



とか言ってみたが、実際それ以上の感動はなかった。




岸辺露伴の生原稿的なものを想像していたが、

そこまでではなかった。





コンテンツの価値はどこにあるのか



雑誌に掲載されている品質の悪い印刷でも、

単行本になったそこそこ品質のいい印刷でも、

誰かがスキャンしてアップした粗悪なデジタルデータでも、

実はそれほど大差ない。

大方の受け手にとってはそんなものだと思う。


やっぱりコンテンツというものは、その中身が価値の大部分を占めるものだ。

また、悲しいかなコンテンツというものは、
多少その体裁がオリジナルから劣化していても、
受け手の心持ち一つで(その人にとっては)十分なものとなってしまうものだ。



ダビングを重ねたAVでも十分実用に耐えるように。



としみじみ思った。VHS世代。



まぁ、どうでもいいか。





むしろ注目すべきこと




そもそも今回の展示は『著作権解禁を機に』というところがおもしろい。

私はいわゆるグラフィックの制作会社に勤めているので、
この制作者の著作権という問題は、日常考えさせられることが多い。

ちょっと掘り下げていきたいテーマなので、少し煮詰まったらまた書いてみようと思う。




それはともかく、せっかくなのでお近くの方は観に行くといいですよ。
ほんのちょっとしか展示してないけど、
本気で観れば一時間は楽しめます。


おすすめです。



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